盗まれた車は海外へ
高級車が盗まれて海外へ
1997年1月、香港の埠頭で、日本人が所有しているはずの高級乗用車が十数台発見される事件がありました。
日本で盗まれ、わざわざ日本から船で香港まで運ばれてきたわけですが
車の盗難発見のきっかけとなったのは、車載されていたナビゲーションシステムでした。
当時、香港では未だナビゲーションシステムが一般的に普及しておらず
その香港にナビの付いたクルマが輸入されたことを、税関職員が不審に思ったのだそうです。
この事件をきっかけに、日本でベンツやBMWなどの高級車を盗み
香港経由で中国に密輸する組織的な犯罪ルートがはじめて明るみに出されました。
中国は右側走行の左ハンドルなので、高級車のなかでも左ハンドルの外車がとくに狙われやすいといわれます。
また、日本製の高級四輪駆動車のTOYOTAランドクルーザーや三菱パジェロなどの盗難も相次いでいます。
このタイプのクルマは、世界中で需要のある人気車種です。
盗難車は、東南アジアを中心に、ロシア、中東に売られ
最近ではイギリスやアフリカなどでも日本の盗難車が発見されるケースが増えてきています。
犯行グループは、陸運事務所で架空名義の「自動車登録事項証明書」を取得し
偽造したナンバープレートに取り替えるなど、かなり巧妙なやりかたで、盗難車ではないことを装います。
高級車を外国で売りさばくために盗む組織ぐるみの「自動車盗」は、増加の一途をたどっています。
クルマをまるごと盗んでしまう「自動車盗難」は、密輸目的とはかぎりません。
普通に近辺を乗りまわしたり、犯行に使ったりと、乗ることを目的に盗む場合もあります。
好きなだけ乗りまわした果てに、乗り捨てられているのが発見されたりします。その上、無傷である場合は少なく
結局、使いものにならなくなっていたり、修理や改修に多額の費用がかかります。
また、再利用価値のあるパーツ、たとえばナビゲーションシステムやオーディオ、ホイール、バンパーなどを盗むことを目的とする自動車泥棒もいます。この場合、売り飛ばせるパーツはすべて外されてしまいますから、残された車体は動かすことが出来なくなっていたり、最悪スクラップ行きとなってしまい、クルマは跡形もなくなってしまいます。
いずれにせよ、愛車を盗まれたら、金銭的な被害はもちろんのこと、生活や仕事をするうえで大きな支障をきたすという人も少なくないでしょう。残されたのはクルマのキーと分割ローンだけ、というのではどうにもなりません。
ちなみに、自動車の盗難がもっとも多い地域は大阪府です。大阪は、1983年以来、15年以上にわたって自動車盗のワーストワンを独占しつづけています。
1998年(1~10月)の発生件数の割合を見てみると、1位の大阪が全体の19.9パーセント、2位の千葉県が7.8パーセント、続く愛知が7.3パーセント、福岡7.2パーセント、そして東京の5.8パーセントという順位になっています。
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