簡単に狙われる車上荒らし
車の窓が壊される車上狙い
クルマそのものではなく、中にあるカーナビや金品を盗まれるケースが車上狙い。
2000年10月の深夜、歌舞伎役者松本幸四郎さんの妻、藤間紀子さんのクルマの窓ガラスが割られ、歌舞伎や演劇のチケット748枚(約1000万円相当)が盗み出される事件が起こりました。容疑者は、港区の金券ショップでチケットを換金しようとしたところを逮捕されました。
チケットとはいえ、お金に換算したら1000万円近いものを車内に置き去るというのも、かなり迂闊というか大胆です。チケットだったからまだ足がつきやすかったといえますが、これが現金だったら戻ってこない可能性は大です。
2000年9月には、関西を中心に高級車を対象におよそ300件の車上狙いを繰り返していた2人組が逮捕されました。彼らは車内に残された現金やクレジットカード、キャッシュカードを盗み出し、その被害は総額3億円にものぼります。
これらの例は、被害が高額だったので新聞記事になりましたが、新聞に掲載されない被害が多発しています。車上狙いは1970年代中頃には約10万件だったものが、現在、その3倍の約30万件にまで急増しています。
車上狙いは、私たちにとって、自動車盗よりはるかに身近な犯罪です。「盗まれて香港にまで運ばれるほどの高級車には乗っていない」という人も、車上狙いにあう確率はきわめて高いと考えたほうがいいでしょう。
車上狙いの手口は、窓破りによるものがほとんどです。たいていのクルマは、フロントウィンドウならそう簡単に割れませんが、ほかのウィンドウはハンマーなどでごく簡単に割れてしまいます。
そこから手を突っ込んでドアロックを開けてしまえば、ものの2、3分で盗み出すことができます。
窓破りの最大の防止策は、金目のものを車内に残さないことです。車上狙い犯は、かたっぱしから窓ガラスを割って、車内を物色しているわけではありません。窓ガラスから中をのぞき込んで、カーナビや高価なオーディオシステムなどの他、サイフや時計など金目のものが残されている車をターゲットにしているのです。
運転席まわりに置いた数百円から数千円程度のわずかな小銭目当てに、窓ガラスが割られたケースも実際にあります。数百円の小銭目当てでクルマを壊され、その修理代に何万円もかかってしまうのでは、たまったものではありません。
実際には、金目のものを残していなくても、たとえば手帳をサイフと間違えるなど、犯人が勝手に勘ちがいして狙われる可能性もありますから、車内には余計なものを置かないようにするのが賢明でしょう。
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